≪「秋深き 私は何を する人ぞ」 昧比≫
「秋深き 隣は何を する人ぞ」 芭蕉
あまりに有名な俳句である。
私たちは、時に周囲の人の心を思い量り、日々を送ってきた。
あの人は、今、何を思い、どんなことをしているのだろうか?
物思う心は、特に、猛暑の多かった、この夏の騒がしさが過ぎた秋にこそ、相応しい。
しかし、人のことを思う前に、自分自身の内面に目を向けることがあるだろうか?
「あの人がこう言った。こんなことが起こった。だからこうしないといけない」と行動に走る前に、 「私は本当は何をしたいのか?何をしようとしているのか?」という内面の声に静かに耳を傾けることも必要である。
インドの聖典ウパニシャッドに、次のような一句がある。
「万物の創造主は、人間のあなを外向きにあけた。
それで、人間は外のほうを見るだけで、内のほうを見ようとはしない。
唯賢明な人たちだけが、目を内に向けて真我を見る。」
現代は、外に目を向けざるをえない状況があるが、時には目を内面へ向け、 「私は何をしようとしているか?」「私は何か?」を改めて自問したい。
2010年10月1日
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[皆既日食]
ヨーガの一番の目的は、心が変化することです。自然との一体感や宇宙意識の体験は、その人の内面を深め、その後の人生を豊かにします。