≪まわり道 ちか道≫
寒さに耐えて蕾を膨らませ、優しさを放つクリスマスローズ
自分の歩いてきた道を振り返り、「まわり道が多すぎる」とため息をついた時期があった。
「なんでこんなに、まわり道をしなくても良さそうなのに」と思うほど、真っ直ぐには行けない何かが、私の内にあった。
例えば、ブログにも書いているが、勧められて国際宗教・超心理学会（本山博会長）に入会し、本山先生の穏やかなパーソナリティ、高いスピリチュアリティによる瞑想の素晴らしさは充分感じながらも、中断せざるを得なかったことなどが挙げられる。その時は、「なんで続けられないのか」と嘆いたものである。
瞑想で本山先生に師事したものの挫折、その後、私に用意されたとしか思えないような、日本ヨーガ禅道友会初代会長の佐保田鶴治先生（世間からは『佐保田ヨーガ』と言われる）との出会い「ヨーガをしてカラダが変わると、ココロもかわる」（これもブログに掲載）でヨーガを始めて40年近くなる。
今思うと、『佐保田ヨーガ』の真骨頂「ヨーガ禅」「動禅」「動くメディテーションとしてアーサナを行う」を私の中で育むには、本山博先生を中心とした国際宗教・超心理学会での瞑想体験が必要だったかもしれないとさえ思う。
私は本山先生のところでの瞑想体験に挫折したと長年思っていたが、この瞑想の小さな蕾はまったく目立たずひっそりと成長し、優しい花をつけていた。こう考えると挫折はマイナスではなく、大きなプラスである。
この種の体験は、枚挙にいとまがないほど、多い。むしろ「あの時、すーと進まなかったから、いろいろ学べた」と、若い時は苛立っていた挫折に感謝することが増えた。
先日、友人とこのような話をしたら、「うん、うん。思い当たる節がある」と同感という表情で頷かれた。
しかし、最近はまた、「まわり道とちか道はクロスしている箇所がある」とも思う。まわり道を地道に歩むことも良いが、ふと、ちか道にクロスする交差点に不意に出くわすことがあり、そういう時に「ちか道に乗り換えるのも、また良し」の心境になった。これは、年齢を経て得るものなのだろう。
この交差点に気付くようになったのは、ごく最近のこと。瞑想（「ヨーガ禅」「動禅」「動くメディテーションとしてアーサナを行う」）によって、気づきが深まった結果と思う。
誤解されやすいことであるが、瞑想によって気づきが深まることは、単純に「良いこと」ばかりではない。自分にとって都合の悪いことも「気づいてしまう」苦しさがある。しかしその時は、状況によっては「さらりと流したり」、「ん？何々？」と観察をさらに深め、意味を探ることもできる。すると、その時々にドンピシャな「アンサー」が届くことがある。この「アンサー」は誰にでもあてはまる正解ではないが、その時の私には適わしいオリジナルな解答である。それによって、さらに自分らしい歩みが始まる。
このような状況は、気象の変化に似ている。どんよりと曇った空と思っているうちに、何かのきっかけで雲が晴れる瞬間がある。サァーと陽が射し、晴れやかな風景となる。この時ばかりは、「幸運の女神は坊主頭」で、「ぼんやりしていたら女神の髪を掴もうとしても坊主なのでつかめない」という先人の知恵を思い出す。
楽しいのはこのような瞬間である。ニッチもサッチもいかないと思っても、ある瞬間流れが変わり、波が近くに寄せて、それにサーフィンすると行きたい方向へ乗せて連れて行ってくれたり、遠くに飛んでいた鳥が近づき、翼に乗せてくれるようなヒントを得ることがある。もちろん、この逆の体験、進もうとしても何故か躊躇しているうちに、船が離陸して地団太を踏んだことも多い。
精神世界は大変魅力があるが、一つ間違えるとリスクを伴うこともある。瞑想を志しながらも、いったんは挫折という形で中断したと思っていたが、「『佐保田ヨーガ』で身体を調えながら、結局は瞑想を深めていた」と知った昨今の歓びは、私にはとても大きい。
2013年4月1日
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［皆既日食］
ヨーガの一番の目的は、心が変化することです。自然との一体感や宇宙意識の体験は、その人の内面を深め、その後の人生を豊かにします。
