京都のヨガ教室 アルジュナヨーガ研修会では主宰の渡辺昧比が佐保田鶴治先生に師事して学んだ『佐保田ヨーガ』をベースに、心身の癒しを深める指導を行っています。

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エッセイ
 
 
渡辺昧比

「季節のエッセイ」

ヨーガ療法士、渡辺昧比の季節のエッセイをお届けします。

≪物語を編む≫

《narrative-based medicineナラティブ ベースト メディシン 物語に基づく医療》が言われて久しい。このことについて考える時に思い出すのは、C.ユングの言葉である。S.フロイトが通常ではないものを「病的・異常」と否定的にとらえたことに対し、C.ユングは「必ずしも否定すべきものではない。時としてそこには創造的な芽生えさえ見ることができる」としたことは有名である。

青空に紅梅(大徳寺)

介護においても、認知症の徘徊などは「病的・問題」と否定的にみられることが多いが、
C.ユングの言うように「必ずしも否定的なものばかりではない」ことを、母の介護の中で《narratibe ナラティブ》を通して体験、再認識した。

私の母(90歳)は元来病弱のため、若いころから様々な健康法を実践、加えて50歳代からはヨーガを始めた。このせいか、「年齢の割には元気!」と多くの方から言われていた、昨秋までは…。

昨秋、ショートスティに行った先で、ショッキングな出来事に遭遇、我がことに置き換え、トラウマになった。このストレスにより、風邪→体調不安定→体力低下→聴力低下と、あれよあれよと言う間に下降の一路をたどり、更に肋骨骨折・それによる肺の付近の出血と、「高齢の母には耐えられないのでは?」と思うほどの重荷がのしかかり、ついには初期の《老人性うつ》とも思われるような症状を見せた。

ある夜半、「カチッ」という玄関ドアを開ける音で目が覚めた。玄関に駆けつけると、母が身支度し、ポシェットを斜め掛け、杖を持って玄関ドアの内側でハァハァと息を弾ませながら立っている!びっくりして「どうしたの!?」と聞くと、「やっとここに帰れた!」「やっとここに来れた!死にそうだった!」と今にも泣きそうな表情であった。

この瞬間、私には以前祖母から何回も聴いていた「生き地獄だった!」が鮮明に思い出された。当時の母は9歳。子供なりに大変な想いで祖母と逃げ惑っただろうことは容易に推測できる。

それは、「函館(北海道)の大火」であった。1934年(昭和9年)3月に起きた函館の大火は、歴史に残るほどの大火であったという。最終的には市街地の3分の1が焼失、川での溺死者・凍死者を含めて2000人近くの市民が犠牲になった。
玄関ドアの内で「大変だった!」と泣きそうな面持ちで立っている母を、この想いで「でも帰ってこられて良かった!」「ここまで来られて良かった!」だけを繰り返しながら抱きしめ、寝室へと連れて行き、あたたかいドリンクを飲ませた。その後も、「ここに来れてよかった!」「帰れてよかった!」だけを繰り返すうちに、母は次第に落ち着きをみせ、眠りについた。

この時の私の判断、母の動揺と函館の大火を結びつけることが正しいかどうかは、客観的には不明である。しかし、あの瞬間、私の想いと母の心の深いところで繋がるものがあったと私は確信している。神経内科医によると、「大きなショックを体験すると、心の深い領域に沈んでいた未分化・未消化の想いに共鳴し、その想いが意識上に上がって再現することがある」と言う。これは、より高度のこころの健康へと向かうプロセスとも考えられる。

その後、母は忘れ物・勘違いを相変わらず連発するが、このような徘徊の気配は見せることなく、大きな流れとしては、緩やかに体調は安定に向かい(と言っても年齢相応のものはもちろんあるが)、体力もやや戻りつつあるように見える。

この体験は、母には大きなものだったらしく、時折思い出すように、「本当に迷ったら、いろいろ言う人もあるけれど、自分の内面の声を聴きなさい」、「履物をしっかりはかないと逃げられないよ」、「何やかや言っても人の浅千恵は知れている。ご先祖さんのお陰を忘れてはいけない」等々。その都度私は、母の体験を通しての想いを私の中に取り込み、『物語を編むこと』を想ってしまう。

人は、時に他人が登場するものの、自分の人生では、自分が主に生きていると思っている。しかしこの体験を通じて私は、人生は『物語を編むこと』と想うようになった。時に母の毛糸との2本どり、あるときは弟のできごとにも関わりながら編み、また他の時には友人との出来事も編み込むことを続ける。編みにくい時もあるし、編み込みやすい時もある。私の物語には、親の物語もあったり、弟の物語もあり、友人の物語も入ったり…。しかしそれは、母や弟、友人個人の物語ではない。様々な色・種類の糸の編み込み模様は、私個人を超えた拡がりを見せつつある。

私の物語は、様々な編み込み模様をなす物語となり、それは世界に一つしかない貴重なものである。もちろん、私だけではなく、それぞれの人生がそれぞれの物語、みな素晴らしく貴重な物語である。

そういう思いを胸に、出会う人たち、ものたちとのかかわりを大切にしながら、今日も一目一目を丁寧に編み込みたいと、母との体験を通じてつくづく想う。

2016年1月1日

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