京都のヨガ教室 アルジュナヨーガ研修会では主宰の渡辺昧比が佐保田鶴治先生に師事して学んだ『佐保田ヨーガ』をベースに、心身の癒しを深める指導を行っています。

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エッセイ
 
 
渡辺昧比

「季節のエッセイ」

アルジュナヨーガ研修会代表、
渡辺昧比の季節のエッセイをお届けします。

≪たましいの会話≫

P.ピカソ「Dove of Peace」

お正月に母が脳梗塞で緊急入院してから半年。改めて命の仕組みについて感じるものが大きい。

入院直後は、「どの程度の延命を希望しますか?」と聞かれるほど、危機的な状況であった。集中治療室から一般病棟へ移る際も、「よく危機を乗り越えられましたね」とか「食事ができるようになってよかったですね」「意識がもどってよかった」等々、医師をはじめ関係者の方々に言われた。

その峠を越えてリハビリセンターへ転院。その後も肺炎、胃潰瘍等危機はあったが、現在は、隣接の病院に入院中である。ここでの主治医からの初所見では、半身マヒや高次脳機能障害、失語などの後遺症は「よくならない」「理解はできない」「会話はできない」と無い無いづくし。何のための治療かと思いながらも、私にできることを模索し、実践を始めた。ヨーガもどきはもちろん、足相術・アロマ・マッサージなど各種の健康法に加え、認知症や高次脳機能障害にも効果が発表され始めている音楽療法(初級)も始めた。また、欧米で効果が立証されている『祈り』も加えている。

それらの効果は西洋医学では認められないものもあるが、最近の母は少しづつではあるが、体調が安定しつつあるように見える。訳の分からない独語もあるが、丁寧に聞くと、私や弟が小さかったころの話や故郷の函館での楽しい思い出、また、美味しい食べ物の話では、とてもリアルな表情さえ見せる。あの時は悩んだけれど、その後、こうしてよくなったから、あれはあれでよかったのだろうとか、いろいろあったけれど、総じて自分の人生は楽しかったなど、他人には、大した意味のない話でも本人には大切なことらしい。

エリクソンE.H『ライフサイクル論』によると、老年期のテーマの一つは《統合》と言う。人生最後の仕事『統合』、これまでの人生を回想して話をするなどして自分の人生を統合するという。実際母を見ると、そのように見える。これはまた、マザーテレサの言う「人生最後の5分間が幸せなら、その人にとっては人生全体が幸せとなる」(来日時の講演)とも重なる。

また、時には、ごく普通の会話もみられる。春になっても寒い日に私が行くと、「夜遅くなるともっと寒くなるから、早く帰りなさい。こっちはもういいよ。」と言ったり、リハビリルームへ行くためにエレベーターへ乗ろうとしたとき、スペースを作ってくれた方へ、私がお礼を言うより早く「エクスキューズ・ミー」、降りるときには「サンキュー」と片手をあげて会釈、お気に入りの看護師さんには「疲れをためないようにね、インフルエンザになったら大変よ」などなど。私がこっそり「○○を考えているんやけど」「健康法の◎◎をしてみようか…。」と耳元でささやくと、即、「イエス!」「ベリーグッド!」「ノーグッド!」との快答も、他人には「気のせいだろう」と思われがちであるが、不思議なほど明快である。これらの輝かしい言葉の数々は、入院手帳を彩っている。

言葉だけではない。母と娘の確執も心理学研究者のテーマになっているが、私も恥ずかしながら母を無条件に受け入れることが出来なかった。しかしわずかの言語と膨大な非言語(表情やジェスチャーなど)で長年の確執が解け始めてきた。病弱な私を命がけでかばったり(重荷に感じた)、周囲が溺愛するのでわがままになってはいけないと厳しく育てた(否定されたと感じた)などが理解できると、その確執も解け始め、最近では母の部屋に入ると、「お母さん大好き」と多少のテレはあるものの、私なりのハグができるようになった。これは私にとっても、大きな嬉しい人生の贈り物である。この時母からは「有難う」「楽しい」などの即答が返る。このやり取りが、最近の母の体調の良さの根本原因と私は確信している。

主治医からのデータでは考えらないほどの表現・会話・理解が母の病室では起こっている。これを「気のせい」「うそ」と言うのは簡単である。しかし私は、母を通して、このようなことを考え始めている。

表現には非言語と言語がある。現代人は言語のよる表現に頼りすぎ、非言語を置き去りにしている。非言語の理解は、五感が働かないとできない。あるいは、言語を通して、「何を言おうとしているか」と、心の深い領域への洞察が必要である。ここでのコミュニケーション、会話は言語を超えたもの、意識を超えた領域にある。

大脳の損傷による理解力不足で、即答はできないはずの即答は、本当に大切なこと、どうしても必要なことはストレートに表現できるような《いのち》の仕組みがあるからこその衝動ではないだろうか。人間が動物から進化したと仮定すれば、それがあるからこそ、動物は生き残れたし、人間もまた、存続できたと思う。

これは母と私だけに起こることではなく、他の方々、他の事柄にも起こりうると私は思いを馳せることができる。表面的な言語の壁を超えた《眼差し》は、真の理解やコミュニケーション、愛や絆を深めると、母との対話を通して実感する。それはまた、免疫力向上の大きな源にもなりうると私は強く思う。

2017年7月1日

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