≪型に始まり、型を超える≫
2月末からカルチャーセンターが休講となり、自粛の日々が続きました。
受講生の方々は、『実践用ヨーガDVD』や『ネットヨーガ』での【おうちヨーガ】を続けた方も多いのですが、やはり講座再開を待たれた様子。
6月からカルチャーセンターの一カ所が、3、4か月ぶりの講座再開、受講生とも再会しました。
ドアや窓全開、ロッカー使用禁止、マスク着用、除菌ティシュー使用など、戸惑いましたが、外からは爽やかな風と小鳥のさえずりなど、嬉しいサプライズが…。優しい笑顔で皆さん帰路につかれました。
皆さん口々に「久しぶりのヨーガはよかったぁ!」「【おうちヨーガ】も良いけれど、はやり、先生やみんなと一緒のヨーガが一番ね」と嬉しいそうな表情を見て、私も幸せ感に充たされました。
他にもいくつかの感想を頂きました。
感想の一部を紹介いたします。
@先生のヨーガは「型に始まり、型を超える」ですね。佐保田鶴治先生の『ヨーガ禅(動くメディテーション)』とつながります。
A DVDやネットヨーガはあっても、この場所で、先生の声のリードで少しづつ体が変化する。気持ちも変化する。この場所の空気も変化する。この空気感が自分にはしばらく欠乏して、今、満たされた感じです。オンラインでは得られない、貴重な感覚です。
B久しぶりのヨーガは乾いた大地に滲み入る恵みの雨のように心と体に深い喜びを与えてくれました。
私達のヨーガ(佐保田ヨーガ)は、アーサナ(ヨーガの体操)を大切にします。しかし、ここは見落とされがちなところですが、アーサナを単なる体操と済ませず(体操が悪いという意味ではありません)に、動くメディテーションとして行うことが大切です。坐禅に対して、動禅という表現もできます。それによって、体を動かしながらも、『心も変容できる』ことに意味があります。つまり、型に始まりますが、型だけに終わらず、型を超え、そこに≪瞑想≫があるように持っていく。つまり、「型に始まり、型を超える」ことで心の変容をもたららすことができるのです。
このように進めていくと、まず、体の強ばりや歪みが調い、自然に呼吸が深く長くなり、心も落ち着いていく。呼吸はリードはしますが、号令はかけません。一人一人がそれぞれ自分の呼吸をしますが、その呼吸は周囲にも共振し、自然に周囲の方とも呼吸が調和していきます。個人の呼吸は、グループの呼吸となり、その空間全体の呼吸にもなります。
この時、個人は、この存在を守りながらも周囲と無理なく共調し、個を超え、大いなる存在や、サムシンググレート、崇高な存在、神などと呼ぶ存在との繋がりをとおして安心感・豊かさ・喜びなどを実感します。
このような体験があると、それまで、「病があるから、苦しい」と思っていたことが「病はあるけれど、それはそれで苦しくなく、むしろ、ある種の喜びがある」「悩みがあるけれど、幸せに気が付いた」などと、自然に思えるようになります。
今回の休講によって、受講生の方々はより確かな眼差しをヨーガに向けることができたように思います。
2020年7月1日
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[皆既日食]
ヨーガの一番の目的は、心が変化することです。自然との一体感や宇宙意識の体験は、その人の内面を深め、その後の人生を豊かにします。