京都のヨガ教室 アルジュナヨーガ研修会では主宰の渡辺昧比が佐保田鶴治先生に師事して学んだ『佐保田ヨーガ』をベースに、心身の癒しを深める指導を行っています。

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エッセイ
 
 
渡辺昧比

「季節のエッセイ」

アルジュナヨーガ研修会代表、
渡辺昧比の季節のエッセイをお届けします。

≪今、改めてヨーガ禅とは≫

型に始まり、型を超える
2月は佐保田鶴治先生のお誕生月、何かにつけ、先生を思い出すことが多くなります。
先日、ヨーガレッスン後にある方が言った一言が注目を集めました。
「先生のヨーガは[型に始まり、型を超える]ですね。佐保田鶴治先生の《ヨーガ禅》につながります。」他の方々も微笑みながら頷きます。

ここで、佐保田先生の最後のヨーガ禅話を思い出します。(1986年9月6日逝去5日前)
…私が遺言的に申し上げることは、ヨーガは体操を重んじなさい。…体操をやる時には四原則を忘れないようにしてください。

このように私たちは、四原則を守ってヨーガのアーサナを行います。初めはぎこちなく、四原則を一つ一つ思い浮かべて、「ゆっくりしないといけない!」「呼吸を合わせないと!」などと考えながら行いますが、慣れると自然に四原則に即して行えるようになる、これが先の言葉でいえば、[型に始まり]です。では[型を越える]とは?私たちはヨーガの体操を大切にします。しかし、単なる体操とせず、[動禅]動くメディテーションとして行うことが大切です。それによって体を動かしながらも[心も変容できる]ことに意味があります。
つまり、型に始まりますが、型だけに終わらず、型を超え、そこに[瞑想]がおこるように持っていく、[型に始まり、型を超える]ことで、心の変容がもたらされるのです。
このように進めていくと、まず、体の強ばりや歪みが調い、自然に呼吸が深く長くなり、心も落ち着いていく。呼吸はリードしますが、号令はかけません。一人一人がそれぞれ自分の呼吸をしながら、その呼吸は周囲にも共鳴、自然に周囲の方とも呼吸が調和していきます。個人の呼吸は、グループの呼吸となり、その空間全体の呼吸にもなります。
この時、個人はこの存在を守りながらも周囲と無理なく共調し、個を超え、大いなる存在やサムシンググレート、崇高な存在、神などと呼ぶ存在との繋がりを通して安心感・豊かさ・喜びなどを実感します。
このような体験があると、それまで「病があるから苦しい」と思っていたことが、「病はあるけれど、それはそれで苦しくなく、むしろある種の喜びがある」「悩みがあるけれど、幸せに気付いた」などと自然に思えるようになります。

四原則
そのための方便として、四原則があります。

  1. 動作はゆるやかに
  2. 動作に意識を向けて
  3. 動作に呼吸(いき)を結び付けて
  4. 緊張とリラックスの適度な交替(特にリラックスを大切に)

[動禅]への道としては、この中で(2)「動作に意識を向けて」が特に重要で、この解釈、実践はさまざまなように思います。私の場合は、佐保田先生が当時よく言われた、「内部感覚を大切に」「深部感覚に意識を向けて」を基に、実技指導の初めのころは、体の具体的な内面(使っている筋肉の変化など)を感じることを勧め、次第に深部へ、広範囲へと観察が深く拡がるように助言します。
こうして集中した状態には、次のことが起こるとされます。
  1. 『ヨーガ・スートラ』によると、「寒熱・苦楽・毀誉・褒貶等の対立状況に悩まされることはない」
  2. ヴィヴェーカナンダ・ケンドラでは、「体がリラックスするに始まり、神経が和らぐ、体内の感覚、例えば血液が流れる感覚がわかる、最終的には自然との一体感を持てる」
  3. ルーマニアの宗教哲学者、M.エリアーデは「人間を限定している条件を無にすることができる」

命の実感
このほかに、私は、[命の実感]も感じることがあります。段階を踏んでアーサナを続けていくと、例えば、「片手を上げて、下す」をゆっくり呼吸に合わせて行うと、血液の流れを実感します。「片手だけでこんなに血が流れている!」の実感は、「自分の体を愛おしく思う」ことに始まり、「命の実感の不可思議さ、有難さ」へ続き、やがては「今生きていることの不可思議さ、有難さ」へと思いが馳せるようになります。この思いは、[自分の体・命]から、身近な[友人・知人への体・命]へ、やがては[未知の人々の体・命]へと拡がることでしょう。人類愛・世界平和もここでは可能と思われます。
現実の人間社会では、イラっとしたり、ムッと来ることも少なくありません。そこから短絡的に[削除]として暴力的行為に向かう例も、最近では増えたように思います。しかし、この[命の実感]を体験すると、「例えば、腕一本にもこれだけの大量の血液が流れていること」がわかり、「人が死ぬにはどれだけ多量の血液が流れる事か」に思いが自然に馳り、怒りや憎しみがあったとしても、身体知としてブレーキがかかると思われます。頭で「人を傷つけてはいけない」「殺人はいけない」とは誰しも知っています。しかしこの思いは、極度の疲労、ストレスなどの重圧などで簡単にどこかへ飛んでしまいます。この時、身体が発する[いのちのブレーキ]は、行動を止める力となるように思います。
特に昨今は、虐待、自傷行為などさまざまな暴力が急激に増えています。これらに対して、理性的な教育だけでは、最近のネット社会による情報過多・体験過少の現代人には、効果が少ないように思います。先に述べた人間としての根元的、原初的な[体の実感][命の実感]がこれらに対してのブレーキとなり、やがては思いやり・慈しみなどの人としての[愛]が緩やかに育まれる土壌となることも可能と考えます。
コロナの感染拡大が気になる昨今ですが、ヨーガによって温かく、落ち着いて、愛ある人は、周囲の人々をも落ち着かせ、居心地よくさせ、更には他者との共生的な生活法に依って、ウイズコロナ、ポストコロナの在り方へも希望を失わずに模索できるように思います。

2020年12月28日

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