≪今に生きる、ヨーガ(禅)とは≫
写真『大賀ハス』は、2千年前の古代ハスの子孫。現在も各地で咲き続けています。
「コロナ禍」という新語が飛び交うようになって3年目、すでに第6波は治まっているかにみえますが、政府は「4回目のワクチン」を高齢者に推奨、まだまだ予断は許されない状況です。また、ロシアのウクライナ軍事侵攻はすでに4か月が過ぎでも、治まるどころか、ますます激しさを増しています。さらには、各地で起こる、震災、大雨などの自然界の異常事態などなど、コロナに感染していなくても、災害に合わなくても、人々の心は何かにつけ動揺し、不安や恐怖など負の感情にさい悩まされることが多い昨今です。
このような状況の中で人々が安寧な生活を送る一つの方法として、私はヨーガの実践を提唱しています。
一例として、ヨーガに来られている方からのメールをご紹介します。
ヨーガクラスに参加させていただいているので、コロナ生活も耐えて?います!!
『ヨーガ』今では知らない方はいないくらい馴染んでいる言葉ですが、誤解もまた多いようです。
特に私たちが行っている『ヨーガ禅(佐保田ヨーガ)』を健康体操と思っている方は多く(健康体操が悪いと言っているのではなく、違うことをここでは言っています)、実際、心身の健康を取り戻された方は数多くおられます。しかし、ヨーガ禅の効果はそれだけではありません。
禅には、座禅、臥禅がありますが、私たちが行っているのは『動禅』、動くメディテーションとして、アーサナ(ヨ―ガのポーズ)を行います。それによって、体だけはなく、心の変化「心のはたらきを止滅(『ヨ―ガ・スートラ』)も、もたらされるのです。その前提として、リラクゼーションがおこります。しかしここで、「ほっこりする」「きもちいい〜」で終わりではありません。リラクゼーションは勿論大切ですが、ヨーガを実践するならもう少し先まで進めていただきたいです。
本来の目的は宏大深遠ですが、現実的には、心身がリラックスした上で、心のはたらきが静まり、直観というか、「真実に気づく」、「本来の自分が観える」、「それがそれであることを察知する」などのある種の「覚醒」が自然に起こります。すると、不調和だった体が少しづつ安定し、揺れていた心が落着きへと向かいます。時には「歓び、有難い気持ちが自然におこり、微笑みさえ浮かび、その微笑は自然に周辺へと拡がる」、これは大変尊いと私は思います。
また、アーサナを通して、自分自身を知ることもよくあります。体を動かしながら、思いがけなく、その不調和に直面することによって、普段の体の使い方の歪みを知ったり、ストレスを心で処理できず、体が代替していたことに気づくことはよくあることで、「身体を通して自己を知る」という古くからの【身学道】の重要さを身をもって知ることにもなります。
こうして、時間という縦の流れ、今に生きる人との繋がりという横の流れに導かれながら、自分が支えられ、また、ささやかながら人の支えにもなれるという歓びは、大きな、そして多くのさまざまな【揺れ】をとおして、より深い繋がりを作ってくれるように思います。その一つのツールがヨーガ禅であるとの思いで、私は日々、ヨーガの指導や語りを続けています。
2022年7月1日
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[皆既日食]
ヨーガの一番の目的は、心が変化することです。自然との一体感や宇宙意識の体験は、その人の内面を深め、その後の人生を豊かにします。