≪堺は境、そこでのヨーガとは≫
【アルジュナニュース】に書きましたが、12月14日（土）、15日（日）、関西大学堺キャンパスで行われた、『人体科学会第34回年次大会』に登壇しました。
友人に、不思議な話をする方がいて、「堺は境目」と言われました。堺は大阪府（商業都市・日常）ですが、南へ行けば、熊野や高野山（自然・非日常）があります。その大きな境目で「あなたがヨーガの話や実技をするのは意味がある」と言われるのです。「なるほど！そうかもしれない」と、単純な私は喜びました！！
ヨーガについては以前、先輩から、「身体を使った祝詞奏上、読経」と聞いたことを思い出し、『ヨーガの普及』をミッションとしている私は、「特別に、しっかりと背筋を延ばして、ヨーガの話と実技をしよう！」と心に決めました。
初日の14日（土）は、≪ヨーガ・医療・宗教≫というビッグなタイトルについて、まず、杉岡良彦先生（京都府立医科大学）から、主に、ヨーガ・医療についてのお話を伺い、続いて渡辺から、≪五蔵説≫（人間存在を考えるとき、まず、頭に浮かぶ、古代インド聖典の一つ、『タイッテリーヤ・ウパニシャッド』）について述べ、「人間とは、肉体面から精神面、さらに霊性へと向かう存在である」ことで、ヨーガは、医療と宗教に関わっていることを説明しました。
次に、「ヨーガとは宗教である」という佐保田鶴治先生の言葉と、『ヨーガ・スートラ』に見る宗教性「ヨーガとは、心のはたらきを止滅することである」を引用、「怒らなくなるのではなく、怒れなくなる」「自然に良いことをしたくなる」などを例に、ヨーガ実践の効用、実践による智慧を述べました。特に、ヨーガ禅では、アーサナの中に呼吸法的要素、瞑想的要素があり（動禅）、そのうえでさらに呼吸法、瞑想を行うので、瞑想による境地が実現しやすい利点があります。
一例として、描画テスト（C.G．ユング派）を使いながら、ヨーガ実践のビフォアー・アフター（心の度量を表す、〈器〉をテーマ）を紹介しました。
簡単に説明すると、上は、ヨーガ実践前、中央にどっしりと書かれていますが、足元がきゃしゃで不安定です。
下は、実践後、底もどっしりとして安定感があり、中に温かいドリンクが入っていて、湯気が立っています。実践後に、心が落ち着いて、温かさが溢れた様子の心理描写と言えます。
90分のヨーガ実践での変化は大きく、わかりやすいもので、これだけでも、佐保田先生の「潜在意識に影響を与えるヨーガ」、C.G．ユングの「ヨーガは無意識の情動を克服する」ことが感じられます。
さらに、後半では、「［医療］と［宗教］との≪あいだ≫」として、狭義の［医療］［宗教］の枠を超え、人としての本質にあたる、≪いのち≫≪生き方≫≪在りよう≫にも、実践の効果、智慧が及ぶことに言及、最後に、大事なことは、そのような本質は一人一人のものでありながら、普遍性を持ち、深いところで、「人と人が繋がることを可能にする」と締めくくりました。
異常なことが異常と言えない昨今、人と人との深い領域での結びつきは、安心・安寧・喜び・生きやすさ・幸せ・平和にも繋がり、必要で重要なことと考えます。
その後、杉岡先生はじめ、会場の方々とディスカッションで盛り上がりましたが、最後に杉岡先生からの「感動しました！」というコメントが私には印象的でした。
2日目の、一般公開講座≪ヨーガ≫も、会場には溢れるほどの方々が来られ、実践後の質問にも深いものがあり、「新たな時代への幕開けでは！？」という嬉しい予感もよぎった、実りある2日間でした。
2025年1月1日
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［皆既日食］
ヨーガの一番の目的は、心が変化することです。自然との一体感や宇宙意識の体験は、その人の内面を深め、その後の人生を豊かにします。
